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Channel: 「マネーの虎」岩井良明 応援記
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『生き続ける』ということ。

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『人は何故生き続けるのだろう…。』

こんな大それた命題を、最近よく考えるようになった。

三年ほど前にふとしたことで知り合った女性がいる。

もちろんおかしな関係ではない。

知り合って半年後、その女性は心の病にかかった。

一度だけお見舞いに行った。

それからは思い出した頃に『元気?』程度のメールを数回送るだけの関係。

それでも時々、彼女が生きてるのか、そうでないのかが不安になり、返信がなくてもメールが送信できる状態なのを確認しては、少しだけ安心している自分がいた。

返信があったのは、ここ二年でほんの数回。

その中の一通には複数の精神的な疾患に侵されていて、もうどうにも生きることが嫌になった旨の内容もあった。

俺はただただ一方的にメールで励ますしか術がなかったよ。

今から一ヶ月ほど前。

久しぶりにふと彼女のことを思い出して、メールしてみた。

もちろん返信など期待するはずもなく。

それが、久しぶりに返信があったんだ。

病状は日に日に悪化して、もうこれ以上は生きられないと書いてあった。

慌てて電話したが、当然のように電話には出てくれない。

二~三回、メールのやり取りが続いた。

まずい。

本当にこのままじゃまずい。

ここには書けないが、あらゆる手を尽くして彼女を助けようと動いた。

幸い、東北地方に住む彼女の祖母が飛んできてくれた。

そして彼女は掛かり付けの医師の強い勧めで某精神病院の閉鎖病棟に強制入院をさせられた。

閉鎖病棟に入院するのは、かなり重度な患者のみだ。

外界との連絡を断たれ、携帯電話も没収されたらしい。

それでも病院に行く直前に俺の携帯番号を自分の腕にこっそりと書き写してから入院したと聞いた。

それ以来、何度か病院の公衆電話から俺の携帯に電話をくれた。

最初は『同じ部屋の人たちが怖い。』とか、『私はもう一生ここから出られないかもしれない。』みたいなネガティブな会話ばっかりだったのが、段々と普通の会話をしてくれるようになってきた。

そして昨日、何度目かの電話で『今週の金曜日に退院できることになったの!』と明るい声で伝えてくれた。

この二年間、聞いたことのないような弾んだ声で。

精神的な病はなかなか完治しないとも聞くことがある。

まだまだ彼女もこれから越えなければならない『山』がたくさんあるだろう。

それでもとりあえずあの時点で生きることを決断してくれて本当によかった。

50年も生きていると、俺の回りにはいろいろな理由でこの世を去った人が何人もいる。

皆、本当はもっともっと生きていたかったに違いない。

誰も死にたくて死ぬわけではないのだから…。


よかった。

本当によかった。

そういう病に掛かったことがない俺のことばには大した説得力もなかったはずなのに、それでも彼女は生きようとしてくれた。

そしてこんな俺を頼りにして、何度も自分で公衆電話のボタンを押してくれた。

どんな思いで俺の携帯電話の番号を押してくれたのかな。

ありがとう…。

俺なんかを頼ってくれて、ホントにありがとう。

昨日、彼女からの電話を切った後、一人で車の中で震えながら泣いた。

結婚している立場の俺がこんなことをしたり、さらにblogに書いたりするのはおかしなことかもしれない。

wife、ごめんなさい。

でもね、俺は一人の人間としてどうしても逃げるわけにはいかなかった。

他人にどう思われようとも、やっぱり俺はこうやって人に関わり続けて生きてゆくしかないんだ。

人助けをしたなんて毛頭思っていない。

そういう次元の話じゃないんだ。

生き続けることは、本当に難しいと思う。

特に今の彼女にとって生き続けることは、苦しくて苦しくてどうしようもないぐらい辛いことなんだと思う。

俺は彼女の恋人でも旦那でもない。

きっと友だちとも違う、一番正しい言い方をすれば『知り合い』だろう。

でも、そんな関係の薄い『知り合い』が、必死に彼女のことを思ったことは彼女に伝わったんだと信じてる。

絶対に死んじゃダメなんだもん。

少なくとも俺が何もせずに俺の知り合いを死なせたら、俺はウメちゃんやとりちゃんに合わす顔がない。

こんな能天気な俺でも少しは人生について悩むこともある。

『生き続ける』ことがわからなくなる時もあるんだ。


それでもやっぱり生き続けなきゃ。

『人に関わる』ことは大変なことだ。

それでもやっぱり俺はこれからもずっと人に関わり続けて生きてゆくしかない。

それだけが俺がこの世に生まれた意味なのかもしれないんだから…。


ちょっと深夜に真面目になり過ぎた。

でも、前にも書いたようにこのblogは俺の『遺書』でもあるから、その時々に感じたこと、思ったことを、これからも書いちゃうんだろな。

Aさん、退院おめでとう…。


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